下関マグロのぶらぶら散歩

下関マグロがぶらぶら街を歩きます

禿を指摘される。

昨日、近所の人たちにランチのお誘いのメールを出したらことごとく無視されたということはすでに書いた。
その後、ゴッホ今泉から電話。
「充電してて気がつかなかった」
と言い、わざわざ新居までやってきた。
「何も置いてない部屋っていいよね」
と今泉は和室でこたつに入りながらそう言う。
珈琲を出したり、茶菓子を出していると、ふと今泉が
「マグロさん禿げているね。初めて気がついたよ」
と言った。あ、このところ髪をのばしていたが、やはり髪をのばすと目立つのか。
なにせ、頭頂部のことだから、自分ではわからない。

最初に禿げを指摘したのは北尾トロだった。
「東京あるキング」という連載を「スタジオヴォイス」でやっていたときのことだ。
この連載は、北尾トロ、秋山ミミ子さんと散歩するというものだったのだが、
後ろを歩いていた北尾トロ
「まっさん、禿げたね」
と言った。今から数年前のことだ。
その年、実家に帰ったら、父親が後ろから、
「おお、禿げてきたねぇ」
と指摘した。それから、両親が僕の禿げを見て、どっちの系統だか言い争いが始まった。
どちらの家系にもこんな禿げはいないという言い分である。
どっちでもいいじゃないか。長野のおじさんも宇部のおじさんもどちらも頭頂部の後頭よりが禿げていたから、どちらとも言い難いと思う。
それ以来坊主にした。
坊主にすれば、どの程度禿げているかわからないからだ。

しかし、坊主をやめて髪の毛を伸ばし始めたのは、白髪が目立つからだ。
坊主は髪が伸びてくると白髪が目立つのだ。
それで、ここ1年くらいは、髪の毛を伸ばし、染めるという選択をしたわけであるが、
やはり禿げが目立ってきたわけだ。

しかし、自分の禿げを指摘してくれたのは、このゴッホ今泉、そして北尾トロ父親だけである。
他の人はわかっているけれど、指摘はしないのだろう。
できれば、指摘してほしい。いま自分はどのくらい禿げているのか知りたいからだ。

と、こたつの上に差し上げたはずの文庫本を今泉は忘れて帰ったことに気がついた。